藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
——一時間後、ダイニングテーブルにいい香りをさせるシチューと彬が買ってきた弁当が並んだ。
そのふたつと嬉しそうにニコニコする藍を前に、彬は一日働いたあと……いや三日連続で徹夜した時以上の疲労を感じている。
結局、手伝うどころの話ではなくほとんどすべての工程を彬がやった。彼女は飲み込みは悪くなかったが、なにせ今日がはじめてなのだ。戦力にはならない。
本当に今日自分が帰宅しなかったらどうなっていたのだろう。
出来上がった時には弁当すら食べる気になれなくて、すぐにでも部屋へ戻りたい気分だった。
それでもこうやって一緒に食卓を囲んでいるのは、あまりにも想定外のことが起こりすぎて、やぶれかぶれな気分になっていたからだろう。
『私、自分で作った料理を誰かに食べてもらうのはじめてです』
そう言ってニコニコしている彼女のためでは断じてない。
「いや君が作った料理とは言えないだろう」と反論しなかったのが、どうしてなのかは不明だが……。
もやもやしながら手を合わせて食べはじめる。
「んー美味しい! 彬さんって料理がお上手なんですね。もしかしてシチューは得意料理だったとか?」
そんなわけあるか、と言いたいけれど言えなかった。
「はじめてだよ」
そのふたつと嬉しそうにニコニコする藍を前に、彬は一日働いたあと……いや三日連続で徹夜した時以上の疲労を感じている。
結局、手伝うどころの話ではなくほとんどすべての工程を彬がやった。彼女は飲み込みは悪くなかったが、なにせ今日がはじめてなのだ。戦力にはならない。
本当に今日自分が帰宅しなかったらどうなっていたのだろう。
出来上がった時には弁当すら食べる気になれなくて、すぐにでも部屋へ戻りたい気分だった。
それでもこうやって一緒に食卓を囲んでいるのは、あまりにも想定外のことが起こりすぎて、やぶれかぶれな気分になっていたからだろう。
『私、自分で作った料理を誰かに食べてもらうのはじめてです』
そう言ってニコニコしている彼女のためでは断じてない。
「いや君が作った料理とは言えないだろう」と反論しなかったのが、どうしてなのかは不明だが……。
もやもやしながら手を合わせて食べはじめる。
「んー美味しい! 彬さんって料理がお上手なんですね。もしかしてシチューは得意料理だったとか?」
そんなわけあるか、と言いたいけれど言えなかった。
「はじめてだよ」