藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
「すごいな〜お店で食べたのと同じ味。彬さんもはじめて作ったなんて嘘ですよね。実は作ったことありますよね」
「ないよ。煮込み料理なんて分量をきっちり守ればどうとでもなるだろう。……だいたい君は計画性がなさすぎる。もう少し考えてやったらどうだ?」
あまりにも無邪気な感想につい小言が口から出る。
「スマホで調べればそのくらいは……」
けれどすぐにしまったと思い口を閉じた。ここは研究室ではないし、料理は実験ではない。
自分は形だけの夫だからここまで言う立場ではない。
気を悪くしたくらいならともかく泣かれたりしたら面倒だ、と思いフォローのために口を開きかけた時、藍がぷっと噴き出した。
「確かに! 計画性がなさすぎました。せっかくだからはじめては好きなようにやってみたくて。でもそんなに甘いものじゃないんですね? 迷惑かけてすみません」
そう言ってくすりと笑って肩をすくめた。
「計画性がないのはその通りかも。昔からなんでも予定通りにいくことが少なくて。決めてたことが体調の関係でダメになることがよくあったから。何度も計画がダメになって、そのうちに考えても仕方がないやーって出たとこ勝負みたいな感じになっちゃったんですよね。まあ言い訳なんですけど。これからは気をつけます」
そう言って、シチューを美味しそうに食べる姿に、彬は罪悪感を抱いた。
また無神経なことを言ってしまった……。
そもそも計画性なんて能力はそこそこの社会生活があってこそのものだ。
ほとんど社会に出たての彼女がなかったとしてもおかしくはない。
——謝るべきか? でも本人はまったく気にしてなさそうだ。
もやもやと考えていると、藍が「そうだ」と声をあげた。
「メッセージに入れようと思っていたんですが明日から図書館のボランティアがはじまるので、午前中出かけます」
「ああ、あれか。わかった」
彼女が切望していたボランティアだ。
「ないよ。煮込み料理なんて分量をきっちり守ればどうとでもなるだろう。……だいたい君は計画性がなさすぎる。もう少し考えてやったらどうだ?」
あまりにも無邪気な感想につい小言が口から出る。
「スマホで調べればそのくらいは……」
けれどすぐにしまったと思い口を閉じた。ここは研究室ではないし、料理は実験ではない。
自分は形だけの夫だからここまで言う立場ではない。
気を悪くしたくらいならともかく泣かれたりしたら面倒だ、と思いフォローのために口を開きかけた時、藍がぷっと噴き出した。
「確かに! 計画性がなさすぎました。せっかくだからはじめては好きなようにやってみたくて。でもそんなに甘いものじゃないんですね? 迷惑かけてすみません」
そう言ってくすりと笑って肩をすくめた。
「計画性がないのはその通りかも。昔からなんでも予定通りにいくことが少なくて。決めてたことが体調の関係でダメになることがよくあったから。何度も計画がダメになって、そのうちに考えても仕方がないやーって出たとこ勝負みたいな感じになっちゃったんですよね。まあ言い訳なんですけど。これからは気をつけます」
そう言って、シチューを美味しそうに食べる姿に、彬は罪悪感を抱いた。
また無神経なことを言ってしまった……。
そもそも計画性なんて能力はそこそこの社会生活があってこそのものだ。
ほとんど社会に出たての彼女がなかったとしてもおかしくはない。
——謝るべきか? でも本人はまったく気にしてなさそうだ。
もやもやと考えていると、藍が「そうだ」と声をあげた。
「メッセージに入れようと思っていたんですが明日から図書館のボランティアがはじまるので、午前中出かけます」
「ああ、あれか。わかった」
彼女が切望していたボランティアだ。