恐怖探偵団と真夏の神隠し
キャンプ
八月一日。世間の小学生は全員夏休みをとっくに迎え、休みを満喫する時である。両親から高学歴を期待されている氷室麗奈(ひむろれいな)は、去年の夏休みを思い返していた。

(去年はずっと塾と自宅を往復するだけだったわね……)

勉強ばかりしか麗奈は知らなかった。夏休みに遊びに行くこともせず、一日勉強をして終わっていた。そして、夏休み明けに「旅行に行った!」「海に行った!」とはしゃぐクラスメートたちを内心馬鹿にしていたのだ。しかし、今年の夏休みは違う。

「れいにゃ〜!川の水、すっごく冷たくて気持ちいいよ〜!それ!」

猫宮蕾(ねこみやつぼみ)が水を両手で掬い、麗奈に向かってかける。冷たい水が麗奈の体にかかった。麗奈の顔に笑顔が浮かぶ。

「冷たい!猫宮、やったわね!」

麗奈も負けじと水を掬い、蕾に向かってかける。蕾の笑い声が響いた。音無翼(おとなしつばさ)がニヤニヤしながら話しかけてくる。

「氷室、随分はしゃいでるな。バスの中じゃ「キャンプなんて楽しくないでしょ!」とか言ってたくせに」
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