恐怖探偵団と真夏の神隠し
麗奈は両手を広げ、亮太の前に立ち塞がる。亮太の目は虚ろで、いつもの元気な彼の姿はどこにもない。まるで別人のようで、麗奈の中に恐怖が生まれた。しかし、あの山に行ってはいけない。そう本能が警告している。

「雷、行っちゃダメよ!あそこに行ったら帰れなくなる!だから、ここにいてーーー」

麗奈は、説得の言葉を口にしている途中だった。亮太がスッと手を挙げる。すると、麗奈の体が強い風によって浮き上がり、地面に叩き付けられた。

「うっ!!」

(雷の異能力……)

麗奈の意識が遠のいていく。亮太は無表情のまま、振り返ることなく山の方へと歩いて行った。



「……い。おい!」

「……ん!氷室さん!」

麗奈は強く揺さぶられ、目を開ける。翼と優斗が倒れている麗奈を覗き込んでいた。麗奈は虚ろな目をした亮太を思い出し、体を起こす。

「雷たちは!?」

体を起こしてすぐ、麗奈は自分が寝ているのが地面ではなく、バンガローの中だと気付いた。

「ここ……」
< 23 / 44 >

この作品をシェア

pagetop