イケメン双子兄弟×美少女双子姉妹の不器用すぎる甘い恋 ──私だけを見てくれる、たった一人に恋をした。──

文化祭の終わりの静けさ



文化祭の熱気が嘘のように引いていき、夕暮れの校庭には静けさが戻っていた。



片付けを終えて校門へと歩く道すがら、私たちの間には、さっきまでの賑やかさが嘘のような穏やかな沈黙が流れていた。



「……ねえ」



並んで歩いていた光輝が、不意に足を止める。



私もつられて立ち止まり、彼を見上げた。



夕日に染まる光輝の横顔は、ステージの上で輝いていた「完璧な王子様」なんかじゃなくて、ただの不器用な高校生の男の子だった。



「文化祭、終わっちゃったね」



「……そうね。片付け大変だったけど……まあ、悪くはなかったんじゃない?」



強がり交じりにそう返すと、光輝はふっと嬉しそうに目を細めた。



「そっか。……ねえ、若葉ちゃん。今日、終わったらさ、少しだけ遠回りして帰らない?」



その誘いに、私の心臓がトクンと大きく跳ねる。



「……なんでよ。早く帰らないとお母さんに怒られるし」



「少しだけ。……君と、ちゃんと話したいんだ」




まっすぐ向けられたその瞳から、私はなぜか目を逸らすことができなかった。
< 26 / 30 >

この作品をシェア

pagetop