結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました
 そんなある日、福岡の出張を終えて会社に戻った迅へ、紀代子から一通のメールが届く。

【透子は子どものころからがんばりやで、無理をして取り繕ってしまうところがあります。実際、今日も仕事で少々ありまして、ひとりで悩んでいないか心配しています】

 そつのない挨拶のあとに書かれていた文章はマリアージュ・アクシア所長でも、ふたりのカウンセラーでもなく、透子の母として娘を心配している言葉だった。

 さらに【ちなみに、明日透子は休日です】と添えられていた。

 紀代子の思惑通りになっている気はしたが、それより迅は透子が気がかりだった。

『急だが明日休みたい。可能か?』

 すぐさま秘書に確認する。秘書たちには『社長が自ら休暇を取られるのは珍しいですね。ぜひゆっくり休まれてください!』と歓迎された。

 そして迅は透子を初めての一日デートに誘った。仕事の悩みは解消してやれないが、話を聞いたり、ストレス発散に付き合うくらいならできる。なにより迅が彼女の顔を見たかった。

 どこかへ買い物に連れて行き、好きなものを買ってやろう――そう考えていた迅だったが、逆に透子のほうからデート場所を提案される。
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