結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました
 経営に携わるふたりが、そろいもそろって〝バレなければいい〟という認識でいる状況に、透子は天を仰ぎたくなる。

「透子が、真壁様とねぇ」

 独り言のようにつぶやいた母は、困惑を極めている透子、そして笑みを湛えたままの迅を交互に見た。

「……あら、面白いかもね」

 紀代子はなにかに気づいたような表情で、小さくつぶやき、迅にしっかり向き直った。なぜか満面の笑みだ。

「わかりました。今回は所長預かりの特別案件という形で許可します」

「所長!」

 とうとう折れてしまった母に透子は声を裏返したが、すかさず迅が間に入る。

「ありがとうございます。柔軟にご対応いただき、感謝いたします」

「ご紹介の件、よろしくお願いしますね」

「もちろんです。仮に、透子さんと結婚できなくてもお約束は違いません」

「私がふたりのカウンセラーになったことにしておくわ。結婚相談所のルールは透子から、聞いていただいていると思いますが、今日はお見合いで、お互いの交際に進みたいと確認がとれた状況。次からが仮交際になります。真壁様のお母様には、順調に活動始められたとお伝えしておけばいいかしら?」

「えぇ、そうしていただけると」
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