私たちの友情は一生不滅!

一瞬で砕け散った世界

世界が、音を立てて引き裂かれた。



「――え?」



伊奈の目の前で起きたのは、理解の範疇を超えた光景だった。



赤く染まったアスファルト。



ルールを守って、青信号の横断歩道を並んで渡っていたはずの綾里、和香菜、七海の3人の姿が、そこから忽然と消え――いや、一台の制御を失った暴走車に跳ね飛ばされ、激しい衝撃音とともに宙を舞っていた。




ドスッ、ガシャァァン……ッ!!!



耳をつんざくような金属音と、鈍い衝突音。



その直後、まるでスローモーションのように、3人の体がアスファルトへと投げ出された。



「……うそ……嘘でしょ……?」



伊奈の喉から、掠れた声が漏れた。



足の力が完全に抜け、その場に崩れ落ちそうになる。



目の前で起きていることが現実なのか、それとも悪夢なのか、脳が理解することを拒絶していた。



車はそのままスピードを上げて走り去っていく。



周囲から悲鳴が上がり、通行人が慌てて駆け寄るざわめきが聞こえるが、伊奈の耳にはまるで水の中のようにこもってしか届かない。



「綾里……? 和香菜……? 七海……?」



這うような足取りで、伊奈は血だまりの広がる場所へと近づいた。



呼んでも、返事は返ってこない。


この前まで「一生不滅」と笑い合い、お揃いのシュシュを頭につけて、これからの未来を語り合っていた3人が、今はピクリとも動かないまま冷たくなっていた。



「やだ……やだ、嘘だよね……? ねぇ、起きてよ……!」



伊奈は震える手で3人の名前を呼び続け、その冷たくなりかけた手を必死に握りしめた。



だが、どれだけ叫んでも、彼女たちの瞳が開くことは二度となかった。



楽しみにしていたはずの初旅行は、一瞬にしてこの世で最も残酷な地獄へと変わっていた。



生き残ってしまったのは、一番先を走っていた自分一人だけ。



その事実が、伊奈の心を深く、黒く、絶望の底へと突き落としていくのだった。
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