最強の吸血鬼たちに執着されています
「おはようございます、朱莉さん」

簡単な身支度を整え、リビングへ向かうと、そこにはいつもと変わらない光景が広がっていた。
保護者である天城理人(あまぎ りひと)さんが、朝食の準備をしている。

「おはようございます、今日は朝早いですね」

「ええ、朱莉さんの入学式ですから。それに、養護教諭の仕事もありますし、いつまでも研究してるわけにはいきませんからね」

理人さんは、アルカディアで養護教諭を務めながら、吸血鬼と人間の血液について研究を続けている。
夜遅くまで研究室にこもっていることも珍しくない、そんな人。

「朱莉さん、改めて入学おめでとうございます」

「ありがとうございます、理人さんがいるので心強いです」

私がアルカディアへの入学を決めた理由の一つは、理人さんがいることだった。
両親を失った私にとって、理人さんは親代わりであり、唯一の保護者。
そして、誰よりも信頼できる大切な存在だった。

「それと、これ。今朝の分です」

理人さんはそう言って、食卓の上に小さなケースを置いた。

「万が一のこともありますから、携帯用の錠剤も常に持ち歩いてくださいね」

視線を落とすと、そこには白い錠剤と、小さな携帯用ケースが置かれていた。

「ありがとうございます」

私は錠剤を飲み込み、ケースを鞄の中へしまった。
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