最強の吸血鬼たちに執着されています
アルカディアの規模は、他校とは比べものにならないほど大きかった。

大聖堂を思わせる講堂に、城のような校舎。
それらを囲む広大なグラウンドやコート、植物園、小さなカフェまで備えられている。
さらに学生寮や教職員用の社宅まで完備され、校門の正面には大きな噴水が噴き上がっていた。

まるでテーマパークか、ゲームの中の学園都市のような光景だ。
これほどの施設を維持しているのだから、莫大な資金が投じられているのが容易に想像できるほど。

周囲を見渡せば、私と同じ新入生らしい人たちが、期待と緊張を入り混ぜた表情で歩いている。


人間と吸血鬼は、見た目だけならほとんど変わらない。

違うのは、赤い瞳と鋭い牙。

もっとも、それだけではないという話もある。
吸血鬼は能力が高いほど容姿が整うーーそんな一説がある。

実際、彼らの顔立ちはどこか現実離れしていた。

美しいという言葉だけでは足りない。
人間とは別の種族なのだと、本能的に理解させられるほどの存在感がある。

……顔を見れば、おおよその見当はついてしまう。
皮肉な話だけれど。

それでも私にとっては、赤い瞳が一番ありがたい目印だ。
遠くからでも吸血鬼だと判別できる。

不用意に近づかないためにも、そのくらいの区別はできたほうがいい。


ーーその時だった。
校門の前が、にわかにざわつき始める。

「……?」

人混みの視線が、一斉に同じ方向へ向いた。
ざわ、ざわ、と波が広がっていく。
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