最強の吸血鬼たちに執着されています
「続いて、新入生代表。レオンハルト」

ちょうど新入生代表の挨拶が始まるところだった。
理人さんに案内され、私は講堂の一番後ろの席へ腰を下ろす。
レオンハルトと呼ばれた黒髪の青年は、静かに壇上へ上がった。

理人さんから聞いた話では、姓を持たず名だけを名乗る者は、吸血鬼であることが多いらしい。
吸血鬼には、人間ほど「一族」という概念が強くない。
子孫を残すことや種族を増やすことにも、あまり執着しないという。
長寿ゆえに、子どもを急いで残す必要がないのだろう。
彼らにとって三年という時間は、人生ーーいや、吸血鬼生のほんの一瞬に過ぎない。

案の定、彼も吸血鬼だった。

壇上からでも分かる深紅の瞳。
赤い瞳は、遠目でも一目で吸血鬼だと分かるほど、異彩を放っている。

「レオ様、高位のお方ですもの。新入生代表に選ばれるのも納得ですよね」

近くの席に座る女子生徒が、隣の友人へ嬉しそうに囁いた。

 ーー高位の吸血鬼って、そんなに有名なんだ。

吸血鬼について詳しくない私には、レオンハルトという者がどれほど名の知れた存在なのかは分からない。
けれど、彼が高位の吸血鬼であることは、この学園では誰もが知る常識らしい。

それにしても。

吸血鬼に憧れや興味を抱く気持ちは分からなくもない。
けれど、彼らは人間の捕食者だ。

どれだけ美しく、どれだけ高潔に見えようとも。

捕食者と被捕食者という関係だけは、決して変わらないのに。
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