無口な彼の、静かな執着が甘すぎる。

無口な男性看護師



看護助手の仕事。


それは、医師や看護師がスムーズに働けるようにサポートすること。





「長島ちゃん、今日の看護師担当、柳さんでもいいかしら」

「えっ、柳さんですか?」

「看護助手の子たち、みんな柳さんとペアになりたくないって言うのよ。私もこんなこと長島ちゃんにお願いするの、嫌なんだけどね……」





担当の看護師と看護助手の割り振りノートを見て頭を抱える看護師長に、「嫌です」なんて本音を言えるわけもなく。




「気にしないでください。私は大丈夫ですよ。目の前にある仕事をこなすだけですから」

「本当? 助かるわ。何かあったら言ってね」





すみません、全然大丈夫じゃないです……!
だって、もうその「何か」が起きてるから!


この会話を聞いていた柳さん、あからさまに不機嫌な顔をしてる……!けれど、一度引き受けたことを取り消すなんて、私にできるはずもなかった。


……はぁ、自分のこういうところ、本当に嫌い。




「……や、柳さん。どこの病室から回りましょうか」





……だめだ、全然コミュニケーションを取ってくれない。

自分に圧倒的な会話力があるかと言われれば、まったくそんなことはない。

でも……仕事をするうえで、ある程度の会話はしたいのに。無言で歩いていく柳さんの後ろを、処置道具がのったカートを押しながらついていく。


今の私にできるのは、ただそれだけだった。
職場ガチャ、失敗しちゃったな。





「手袋とゴミ袋、出しといて。……はあ、だる」




そのだるそうな原因は、きっと私なんだろうな。
医師や看護師の力になりたくて、この看護助手という仕事を選んだのに。

どうしてかいつも、思い描いていた結果とは違ってしまう。
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