イケメン三兄弟×美少女三姉妹の不器用すぎる甘い恋 ──恋に興味のない私は、姉妹の恋を見守ります。──

あとがき~それぞれの目線で~

1.みはるの目線

主人公だからって真っ先に書かされるの、まじで意味がわからない。
作者のセンスを疑うわ、本当にお願いだから次からやめてほしい。
まあ、どうせ私の仕事はあのバカ四人組の恋愛脳を冷ややかに観察して、毒を吐くだけの簡単なお仕事だけどさ。
朝から靴紐結んでドジ踏んでるちはると、それに赤面してる塩対応の旭とかいうアホ。
隣では「お兄ちゃん枠」で満足してるお人好し長男と、それに全く気づいてない鈍感長女が毎朝元気にイライラさせてくれる。
放課後の買い出しでも、私たちの頭数を使って見せびらかすようにイチャついてるから胃が痛くなる。
図書室でも夏祭りでも花火でも、やってることはいつだってワンパターンで呆れるしかない。
文化祭の準備だのお化け屋敷だのって騒いでも、どうせ結末なんて見えきってるし誰も進展しない。
でもまあ、こんなめんどくさい青春ごっこを特等席で見物できるのは、世界で私と歩くらいのもんか。
……って、隣で当たり前みたいに並んで歩いてる歩のせいで、たまに調子が狂うからそれだけはマジで余計。
どうせ明日も明後年も、このクソみたいな日常は変わらないし、私たちはこうやって冷めた目で文句を言い続けるんだろうな。
最後くらい正直に言うわ。読んでくれてありがとう……。





2. 歩の目線

みはるがまた「なんで私が最初なんだよ」ってぶつぶつ文句を言ってるけど、まあ主人公だから仕方ないだろと心の中で聞き流す。
俺の日常は基本的に、目の前で繰り広げられる兄姉たちのめんどくさい恋愛劇と、隣でひたすら毒を吐き続けるみはるの相手をすることだ。
朝から派手にすっ転ぶちはると、それを渋々フォローする旭の不器用さは、もはや毎日の定番ネタになりつつある。
蒼兄も相変わらずこはる姉さんの「お兄ちゃん枠」から一歩も抜け出せなくて、見てるこっちが不憫になるレベルの片想いを続けている。
放課後の買い出しを押し付けられたときも、みはると二人だけで歩けるなら別に悪くはないよなと密かに思っていたりする。
夏祭りの夜も、花火の音にかき消されそうな兄たちの心の声が聞こえてきそうで、こっそり笑いそうになるのを堪えるのが大変だった。
恋愛なんて興味ないけど、あいつらが右往左往するのを特等席で見物できるのは、案外悪くない暇つぶしだ。
みはるはいつも通り「めんどくさい」とか言いながら、結局俺の隣から離れようとしないし。
文化祭の準備が始まっても、相変わらず浮かれた空気を冷ややかに眺めながら、俺たちはいつも通りの距離感を保ち続ける。
来年も再来年も、きっとこうやってあいつらを見守りながら、みはると一緒にくだらない話をしながら歩いてるんだろうな。





3. 蒼の目線

毎朝、こはるの教科書の忘れ物をチェックするのが、俺のひそかな日課であり外せないルーティンだ。
相変わらず「ほんとだ、蒼ありがと!」なんて満面の笑みでお礼を言われるたびに、嬉しい反面で心の底から遠い「お兄ちゃん枠」に綺麗に収まってしまう絶望感を味わっている。
放課後のスーパーでも夏祭りでも、どうにかしてこの距離感を壊して本当の気持ちを伝えたいのに、こはるのあまりの天然な鈍感さに毎回綺麗に打ち砕かれる。
図書室で勉強を教えているときも、間近で見上げるその無邪気な瞳に心臓がどうにかなりそうになるのを必死で隠すのが精一杯だった。
花火が夜空に打ち上がった夜なんて、綺麗だと言いながら俺の袖を引くこはるの手を思わず強く掴みかけたりもした。
旭からは「わかりやすい顔してんな」って呆れられるし、遠くからは末っ子の歩とみはるに変な目で見られている気がして少し気まずい。
それでも、文化祭の準備の買い出しで「蒼、手伝ってくれる?」って言われたら、やっぱり「当然だろ」って笑って答えてしまう自分がいる。
いつかはこの「お兄ちゃん」の壁をぶち壊して、絶対に本当の想いを伝えてやると心の中で何度も誓い直す。
まあ、その決意を告げるのはまだまだ先になりそうだけど、こはるの隣に並んで歩けるこの日常を、今は大切にしていきたい。





4. 旭の目線

毎朝玄関の前で派手にすっ転ぶちはるを見ていると、本当にこいつから一瞬たりとも目が離せないなと毎回心の底から溜息が出る。
靴紐を結んでやっても「さすが旭は優しいなあ!」なんて無邪気に笑うだけで、それが俺の恋心だとは微塵も気づいていないから救いようがない。
放課後の買い出しの途中で肉まんを無理やり口に突っ込んできたり、夕立の日に傘を押し付けて走ろうとしたり、相変わらずマイペースでドジばかり踏む。
夕暮れの公園でちはるの頬についた欠片を拭い取ったときも、至近距離で目が合った瞬間に盛大な斜め上の解釈をされて一瞬で撃沈した。
夏祭りの夜も、花火の音に紛れて綺麗だと言いたかったのに、結局口から出たのはただの気の抜けた溜息だけだった。
蒼のやつが苦労しているのは見ていてよくわかるから、同情半分、呆れ半分といったところか。
おまけに、遠くの特等席では歩とみはるの末っ子コンビが、俺たちのドタバタ劇を冷ややかな目で観戦しているのが嫌でも視界に入る。
文化祭でお化け屋敷をやると聞いたときも、どうせちはるはビビって泣く側に決まっていると呆れつつ、心のどこかで心配してしまう自分がいる。それでも、こうして文句を言いながらちはるの面倒を見続けているのは、結局のところ俺がどうしようもなくこいつに惚れているからだ。
いつかはこの不器用な優しさが届く日が来るのかどうか分からないけれど、まあ、今日も今日とて仕方なく隣を歩いてやるさ。





5. こはるの目線

毎朝の通学から放課後の買い出しまで、いつだって幼なじみの蒼と旭、そしてみんなと一緒にワイワイ歩くのが私の当たり前の日常だ。
宿題や時間割を忘れたときも、蒼が「まったく、しっかりしろよ」って呆れながら自然に助けてくれるから、私にとって蒼は本当に頼りになる自慢のお兄ちゃんみたいな存在だ。
図書室で勉強が行き詰まったときも、いつの間にか隣に座って分かりやすいノートを出してくれて、本当に蒼は神様みたいだなあって心から感謝している。
夏祭りの夜も、みんなとはぐれないようにちはるの手をしっかり握りながら、ずらりと並んだ屋台を見て回るのがすごく楽しかった。
大きな花火が打ち上がったときも、「蒼、見て!すっごく大きい!」って思わず袖を引っ張っちゃったけど、蒼はなんだか少し照れくさそうな顔をしていた気がする。
文化祭の準備でお化け屋敷をやることになったときも、ちはるが今から大騒ぎしていて、買い出しはまたみんなで行こうねって蒼に頼んだら「当然だろ」っていつもの優しい顔で答えてくれた。
私自身は恋愛とかには全然疎いし、目の前の楽しいことで頭がいっぱいだから、蒼が私に向けているまっすぐな視線の意味なんてこれっぽっちも気づいていない。
でも、こうやってみんなと過ごす賑やかで温かい時間がずっと続けばいいなって、心からそう思っている。





6. ちはるの目線

今日も元気に走り出した瞬間、案の定足元を盛大にすっ転んで「いてて……」ってなってたら、旭がいつもの塩対応で呆れつつも誰よりも早く靴紐を結び直してくれた。
「ありがと旭!さすが旭は優しいなあ!」って満面の笑みでお礼を言ったら、なぜか旭は少し耳を赤くして目を逸らしちゃったけど、あれは何だったんだろう。
放課後のスーパーでも、特売ワゴンに突っ込みそうになったところを旭が腕を掴んで引き寄せてくれて、本当に危なっかしいやつって思われてるみたいでちょっと悔しい。
雨降りの日にも自分の傘を私に押し付けて歩くんと帰っちゃうし、旭って時々お母さんみたいに過保護で心配性なんだから困っちゃう。
夏祭りの夜も、こは姉と手をつないで金魚すくいや屋台を回って、打ち上がる花火を見て「一瞬で消えちゃうから切ないよね!」って感動していたら、隣の旭がまた何とも言えない顔をしていた。
文化祭の準備でお化け屋敷をやることになったときも、旭から「脅かす側じゃなくてビビる側だろ」って秒で塩対応されたから、今度こそ見返してやろうと密かに燃えている。
みはるからは「脳みそお花畑かよ」って冷たい目で見られてるし、歩ちゃんはいつも通りマイペースだし、私たちの周りは相変わらず賑やかで楽しいことで溢れている。
恋心なんて自分には全く縁のない話だと思ってたけど、たまに見せる旭の不器用な優しさに触れるたび、私の胸の奥もほんの少しだけ温かくなる気がするんだ。
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