ヤンキーが全教科満点取るなんて聞いてない!

第4話:満点同士の放課後

放課後。 誰もいない、静まり返った2年B組の教室。



真奈美が席に座って荷物をまとめていると、背後からスッと黒い影が近づいてきた。



ガタッと椅子を引く間もなく、黒瀬は真奈美の座る椅子の両脇に手をつき、窓際へと追い詰めた――いわゆる、完璧な「壁ドン」の体勢だ。




「っ……! 黒瀬くん、ここ、教室よ? 誰か来たら……」



「誰も来ねぇよ。……でさ、委員長」



黒瀬はいつものダウナーなヤンキーの顔を引っ込め、蕩けるような、しかしどこか熱を帯びた瞳で真奈美を捉えた。



「約束、果たしたぜ。全教科満点、きっちり取ってやった。……なぁ、頭のいい男がタイプって噂、本当だよな?」



顔を真っ赤に染め上げ、メガネの奥の瞳を潤わせながら、真奈美は小さく唇を噛んだ。



あの隠れ美少女としての素顔を知られていることも相まって、心臓が爆発しそうだった。



「もう……黒瀬くんのバカ……。あんなサプライズするなんて聞いてない……!」



「サプライズじゃねぇよ。お前を振り向かせるための本気だ」



優しく微笑んだ黒瀬は、そっと手を伸ばし、真奈美の頭をポンポンと優しく撫でた。



誰にも言えない秘密の特訓、そして満点を分かち合った二人。



不良のヤンキーと真面目な委員長の甘酸っぱくて新しい恋の物語は、ここから最高のかたちで動き出し始めたのだった。

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