桃と伊吹の、ドキドキ♥️ナゾトキFile
【ナゾトキ】

「君、少しは落ち着きたまえ!……なんだその、カレ玉って?」
生徒会室で一緒にお弁当を食べていた葉月会長が、部屋に飛び込んできた二年の男子生徒に尋ねる。

「知らないんすか!? 半熟玉子が丸々入ったカレーパンで、他の学校ではもう売られていて超人気なんすよ」

「確かにそれはうまそうだな、君がなぜ生徒会室に駆け込んできたのかがよくわからないが……で、お昼のパンは結局どうしたんだ?」
「えーっと、生徒会でミステリー部もやってるって聞いたもんで。パンは、泣き寝入りです……代わりに、メロンあんパンを買いました……だから、なんとか買い占めた奴を見つけて成敗してくれませんか?」
メロンあんパン……それ、どんな味なんだろう?

「さて、桃君、謎解きはできそうかな?」
会長さんが弁当箱をしまいながらにっこりと問いかける。

「ええ、そうですね……行ってみましょうか?」
「犯人のアジトにか?」……会長、うれしそう。

三人は生徒会室をあとにした。(パソコンはオフにして部屋の鍵は閉めたよ)



「放送中」のランプは消えている。
防音用の思いドアをそっとゆっくりと開けると……

男女八名の生徒……放送部員が噂の『カレ玉』をパクついていた。みんなびっくりして食べかけを隠すが手遅れ。

「御用だ!……でも桃君、よくココだとわかったな」
感心する葉月先輩。

「いえ、簡単なことです。多分、『カレ玉』の新入荷の情報は、取材した放送部だけが知りえたんじゃないですか。今日私も購買の前を通ったけど、そんなお知らせは出てなかったですし。多分、購買が開いたと同時にゲットしたんだと思います」

「そうか、それは小ズルいな」と葉月会長。
「そうだそうだ……会長、お裁きを!」食べ逃した男子生徒がはやしたてる。

「おいおい、さすがにワタシにはそんな権限はないぞ……きっと放送部長さんが、自主的に考えてくれるんじゃないかな?」
そう言って葉月先輩は、放送部員メンバーの中から、一人の男子生徒をギロリと睨んだ。

「わ、わかりました……明日のお昼にお詫びの放送をして……」

「それだけかな?」
会長、さらに冷たい眼差しでギロリと睨む……この人、怒らせるとムチャ怖いかも。

「『購買と放送部タイアップ!カレ玉試食プレゼント!』をやっちゃいます……部の経費予算で」

「ほお、そこまでしてくれるのか、太っ腹だな! 素晴らしい……おや、部長さん、涙目になっているが、そんなにカレーが辛かったかな?」
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