この恋、上方修正銘柄です!

「高辻さん?」
 佐藤に呼ばれてハッと我に返る。少しぼんやりしていたらしい。
「じゃあ僕、そろそろ戻るよ。ご馳走様でした」
 カップを皿に戻した佐藤に、向かいに座る壬生が、
「そういや、トモのクラスは何やってんだ?プログラムには喫茶ってだけ書いてたけど」
 最近知ったのだが、佐藤と壬生は幼馴染で仲が良いらしい。
「うーん、あまり言いたくないんだけど……」
「そーゆーの、余計気になるんだけど?」
「……女装&男装喫茶」
「ってことは、お前が女装してんのかよ」
 似合うかも。しかもすごく!と思ったが、佐藤は嫌がるかもしれないので黙っておく。
「というわけで、渉も高辻さんも出来れば来ないで……いや、良かったら来て」
 困ったように笑って、佐藤は自分のクラスに戻って行った。そしてその佐藤の後を、壬生がこっそり追って行った。

 皿を片付けテーブルを拭く錦の横ではメイド二人組が、
「佐藤君の女装……見たい、ガチで見たい!」
「あ、なるほどね、そういうことかー! や、佐藤君のクラスで飯食ってきた男共、全員挙動不審すぎてナゾだったんだけど」
「その話、萌え……もっと詳しく!」
「ハッ、もしや同志!?って、錦ちゃん、そろそろ休憩行って良いよ」
「けど、綾乃、暫く帰って来ないだろうし……」
「平気平気、どうせもう食べ物殆ど残ってないから。ウチらだけで大丈夫」
「ごめんね、最後になっちゃって」
「ううん、ありがと。じゃあ、ちょっと行ってくる」

 佐藤と壬生の受け攻め論争を始めた腐女子二人に店を任せ、カーデガンを羽織って教室を出た。


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