ひとりぼっちの上司と私

『加納さん……! この魚介シリーズ最高だよ! 見ただけでは正体がわからない地味な料理と、その素材となった魚介類がセットになっているアイデアがいい。これ、なんだろう?って思った瞬間、隣にその答えが用意されているなんて親切だし、新たな学びにもなる。ぜひ、これでいこう』

 緊張しながら社長室に持って行ったところ、社長は大絶賛してくれた。

 私が企画したのは〝天然のいけす〟とも呼ばれる富山湾の魚介類にスポットライトを当て、魚介類そのものの小さなフィギュアと、調理された姿をセットにしてキーホルダーにしたものだ。

 社長には隠れた名産品という漠然としたテーマしか与えられていなかったけれど、富山と言えばやはり魅力的なのは海の幸。

 みんなが知っている名産品ではあるけれど、調理された状態だと意外とわからないのでは?という発想からスタートした。

 ……と、言うと自分のアイデアがすごいみたいに聞こえるけれど、思いついたのは家でゲームをしている最中だ。

 ゆうメロの中で親しくしているヤスダさん、そしてイザナミさんと三人でオフ会をしようという話が持ち上がった時のこと。

 マグロが好物のヤスダさんのために、お寿司を食べられる店にしようとイザナミさんが提案し、私が店を探しますと言った。

 それに対して、ヤスダさんが『マグロは自分で釣っていきます』――と発言したことで、頭の中にあったお寿司のイメージが、突如、漁港で巨大なマグロが水揚げされたシーンへと変わった。

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