この度、俺様パイロットとご成婚しました。
(あれ……?)
鈴菜はふたりの態度に違和感を覚えた。
ニューヨークで一緒だったときのとげとげしい雰囲気がすっかり薄れている。
「なにかあったんですか?」
「実は日本に帰ってきてすぐ、大喧嘩したらしい。三十年ぶりに本音をぶつけ合ったら、すっかり長年のわだかまりが解けたらしい」
こっそり航輝に尋ねると、呆れたような口調が教えてくれた。
雨降って地固まるというやつらしい。
嫌われていると嘆いていたのが嘘のようにほほえましい光景に、鈴菜も口もとがほころんでいく。
「私たちもあんな風になれるかしら?」
「なれるさ。俺も一目惚れみたいなものだからな」
鈴菜はぎょっと航輝は仰ぎ見た。初めての出会いといえば、ちょっとした苦い思い出となっている。
「叱られたのに?」
「そうだな。あれは効いたよ」
航輝はあははと声をあげて笑うと、愛しい妻の肩を抱いたのだった。