この度、俺様パイロットとご成婚しました。
「結婚を認めてください」
鈴菜と航輝はふたりそろって来栖家の屋敷を訪れ、睦美に向かって頭を下げた。
離婚しないという決意を固めた以上、彼に任せきりにするのではなく鈴菜も睦美との話し合いの場に赴いた。
「ほら、睦美」
今日は帰国中の達夫も同席してくれた。うつむきながらソファに座る睦美の傍らに寄り添い、手を握っている。
睦美ははあっと大きく息を吐いた。
「あなた達の結婚を認めるわ」
ようやく許しをもらえた鈴菜と航輝は、互いに目を見合わせた。
「ただし、もう隠し事はやめてちょうだい。陰でコソコソされるのはもうたくさん!」
「はい」
鈴菜は微笑みながら返事をした。
「ふたりの結婚式はうちのホテルでやろう。季節はいつがいいかな?睦美はいつがいいと思うかい?」
「達夫さん、張り切りすぎよ。まずは鈴菜さんの希望も聞かないと」
「それはそうだけど。早く会場を押さえておいた方がいいだろう?」
「そうねえ。そうなるとやっぱり温かくなった春先がいいんじゃないかしら?」
達夫と睦美は新郎新婦そっちのけで結婚式についてああでもないこうでもないと話し始める。