財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 気持ちを行動にするって、こんなにもドキドキするものなのね。物凄い速さで、心臓が脈を打つ。
 次の瞬間、惺也くんはぎゅっと私を抱きしめた。

「ごめん……、言葉で聞きたい」
「っ……」
「俺は、李茉が好きだ」

 甘い声音が耳元に届く。少し低くて、鼓膜をじんと痺れさせるような、そんな囁き。
 だから、私も彼の想いに応えるように、愛を囁く。

「……私も、惺也くんが好き……大好きっ」

 腕に力が入り、息ができないほどに抱きしめられる。

「くっ……苦しぃ……から」
「あ、……ごめん」

 パッと解かれた腕の拘束に、わずかに寂しさを覚え、無意識にパジャマを摑んでいた。

「……ん?」
「えっと……あの……っ」

 自分から、男性を誘うなんてこと、したことない。
 どうしたら、彼と甘いムードにできるのかなんて、私にどうにかできるスキルなんて持ち合わせてないのに……。
 間近に惺也くんの顔があって、あたたかい吐息が頬にかかる。
 もうそれだけで鼓動が早まるのに、解かれたはずの彼の腕が、滑るように腰へと辿り着く。
 パジャマの布地越しに、熱いくらいの彼の手の温もりが伝わってくる。
 そして、再び抱きしめられ、愛おしむようにそっと優しく彼の腕に包み込まれた。

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