財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 その後、一時間ほど書類処理をこなし、十時少し前に、城ケ崎が迎えにきた。

「社長、そろそろ定例会議のお時間です」
「……今行く」

 机上を片づけ、部屋を後にした。

 役員による定例会議は、投資案件の進捗状況を報告するような日常業務。投資先がグローバル且つ他業種に及ぶため、海外支社の担当者も踏まえて、オンラインで行われる。
 会議室に入ると、役員たちが一斉に立ち上がり、頭を下げる。
 すでにオンラインでのミーティングの準備も整っているようで、各国の担当者がパソコンの画面に映し出されていた。

「ではこれより、定例会議を始めます」

 司会役の及川が会議資料に基づいて説明を始めた。

 約一時間半ほど会議が行われ、そろそろ会議を終えようとした、その時。
 城ケ崎が会議室へとやってきて、俺に耳打ちする。

「社長、至急ご確認いただきたい件がございます」
「……わかった」

 俺の顔色が一瞬で変わったことに、役員たちの動揺も隠せない。

「今日の会議はここまでとする」

 俺が席を立つと、一斉に役員たちも立ち上がり、一礼する。

新藤(しんどう)
「はい」

 俺が専務取締役の新藤(まこと)に声をかける。
〝部屋に来てくれ〟とアイコンタクトを送り、俺は新藤と秘書二人を連れ、会議室を後にした。
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