財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 シャワーを終えた惺也くんがダイニングにやってきた。

「……旨そうだな」

 少しやつれた顔に、柔らかい笑みが浮かぶ。その表情が、胸に鋭く刺さる。

「いただきます」
「はい、どうぞ~」

 私は冷えたビールを注ぎながら、美味しそうに頬張る彼をじっと見つめた。
 テーブルの上には、惺也くんの好きなメニューが並ぶ。
 チキン南蛮、カニクリームコロッケ、アサリ入りミネストローネ。手間を惜しまず、丁寧に作った料理。
 彼が喜んでくれるなら、それだけで十分よ。

「おかわりあるからね」

 笑顔を向けると、惺也くんはチキン南蛮をパクっと口に運んだ。

 夕食後、片づけをしながら、リビングにいる惺也くんに声をかける。

「惺也くん、何か飲む?」
「いや、いい。それより、早くこっち来い」

 惺也くんは、トントンと膝を叩いて私を呼ぶ。
 たった五日なのに、すっかり忘れかけていた夫婦の甘い時間。私たち、まだ籍を入れて数カ月の新婚なんだもんね。
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