財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
第10章 世界的投資家の、華麗なる手腕
(惺也視点)

 マスコミに機密情報が漏洩したと報じられて、直後に片桐グループ全体の株価が暴落したことで、俺は父親から『状況説明に来い』と言われ続けていた。
 対応に追われ、後回しにしていたその説明をしに、今片桐家の本家である実家に向かっている。

「はぁ……」
「大丈夫ですか?」
「……ああ、問題ない」

 運転手の及川はバックミラーでちらりと視線を寄こしてきた。
 
 連日の対応に追われているだけでも悩ましいのに、愛しの李茉は家を出ていってしまったし、その李茉の座を狙っている女狐の相手もほとほと疲れ切っている。
 とにかく今は、一刻も早くこの問題を収束させねばならない。

 代々続く片桐の家は日本屈指の財閥で、今では世界的にもその名は知られている。
 鉄鋼業から始まり、海運業、不動産業と業種を広げてきた。
 俺はそんな家系で跡取りとして育ち、李茉と出会ったことで慈善事業や投資に興味を持ち、それが今の俺を築き上げてきた。

 ほどなくして実家に到着し、一年ぶりに実家の門をくぐった。
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