財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 初めて彼とデートした、あの日を思い出す。
 
 豪華クルーザーでランチした日も、今日と同じようによく晴れていて……あの日は、世界がひっくり返るほど驚いたよね。
 ホテルのスイートルームに高級ブランドの外商部を呼びつけ、一点物を買い占め……それだけじゃない。
 貸し切りのフルオーケストラの生演奏に、銀座で買い物して、個人所有の美術品を眺めながら、ワンポチで一億円寄付。
 極めつけは、ヘリコプターでの夜景クルージングで空中花火を見たっけ……。
 今思えば、あの寄付もきっとアミル財団が支援する施設への寄付だったに違いない。

 私たちは海沿いのレストランで昼食をとり、その後、惺也くんが「連れて行きたいところがある」というので、そこへと向かった。

 着いた先は、小高い丘の上に立つ白い教会。

「……おいで」

 惺也くんに手を引かれ、チャペルの前に辿り着くと、ダークグレーのパンツスーツを身に纏った女性が二人。
 同じスーツを着ているし、名札をつけているところを見ると、どうやら何かのスタッフらしい。
 笑顔で迎えられ、緊張しながら会釈した。

「奥様、どうぞこちらへ」

 スタッフの呼びかけに驚いて、思わず隣の彼を仰ぎ見る。

「行って来い」

 笑顔で送り出され、何が何だかわからないまま案内された先の部屋には、見覚えのあるドレスが飾られていた。
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