再会〜中堅保育士はイケメン年下男に翻弄される〜

初対面


夏と初めて会ったのは、7年前に遡る。

当時、保育士資格の取得できる4年制大学を卒業した雪は、内定をもらった保育園に就職して
毎日仕事を覚えることに必死だった。


0歳児クラスの担任になり、母親と生まれて初めて離れて大泣きの子供たちをおんぶに抱っこ、
あやしているうちに1日が終わる。


幸い一緒に組んでいる担任たちは、仕事を丁寧に教えてくれて、社会人になったばかりの雪を
励まして見守ってくれる。
何てありがたい職場だろう。

それでも休日は疲れが溜まり、
気づくと睡眠で1日が終わる。


実家周辺は田舎で保育園はなく、地元から市を2つ程跨ぐところにある就職先は、通うのは大変と判断して1DKのアパートで一人暮らしを始めた。


ありがたいことに、雪の両親が保育士の安月給を気にして
「1年間だけ」という限定で現金を援助してくれている。

1年後にはボーナスも増額するらしいし、
両親の援助してくれているお金も一銭も無駄にはしたくない。


とは言え。

「何かなぁ…。楽しみがほしいな」



ボーッと納豆かけご飯を食べながら
そんなことを呟いた日曜の夜。

雪のスマホに電話の着信音が入り、画面を見てみる。
大学からの友人からだった。


「はーい」
「あ、雪ぃ?久しぶりー!」
「恵理香《えりか》、久しぶりだねぇ。元気?
あれ、今幼稚園だっけ?」

「そうそう。年少ちゃんクラス。可愛いよぉ。雪は?」
「私0歳だよ。もっと可愛いよー」


電話口で笑い合う。


「電話なんて急にどうした?」
「あ、ねえねえ雪さ、来週の日曜忙しい?」
「え、暇よー」
「じゃあさ、良かったらBBQしない?」


そんなアウトドア久しぶりだ。


「えー、行きたい!」
「ね、やろうやろう」
「大学メンは他に誘ってる?あ、持ってくるものある?買い出し行くよ〜」


すると一拍ほど間があった。


「あ、また場所とかLINEするねー!持ち物は特に気にしなくていいかな。現金は2千円あれば大丈夫」

「?ん、分かった〜」



一瞬、何か変な感じだった気がする。

もやもやが止まらない。これはちょっと、何かある気がした。

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