再会〜中堅保育士はイケメン年下男に翻弄される〜

「ねぇそれってさ、マルチなんてことない?」


翌日、月曜日。
主活動を終えて給食、午睡と流れるように午前中が過ぎたあと、少し冷めた給食を職員たちと食事中

昨日の恵理香との電話について軽い雰囲気で相談するとクラス主任が深刻な表情で言った。


やっぱりそう思うか。


「マルチって、ねずみ構でしたっけ?」
「マルチ商法とねずみ構はイコールにはならないけどね。
私も昔友達に誘われて、たっかい矯正下着買わされそうになったことあるわぁ」

「え…マルチでBBQなんてあるんですか?」

「バスケとか、親睦を深めるスポーツとか
料理教室とか色々あるみたいよ。
雪先生も気をつけてね、
若い社会人なりたての子って狙われやすいから」


何て恐ろしい場所へ誘ってくれたんだ、恵理香よ。


「気をつけます。
友達が誘ってきたってことは
もうその友達も染まってるんでしょうか?」


「うーん、何とも言えないね。
でも電話で雪先生が聞いたことに対して変な間があったってことは、
答えられなかったり、後ろめたいことしてる自覚があるのかも」



日曜の件、断ろうか。

一瞬そう思いかけたが、同時にこの友人と切磋琢磨して保育実習や卒論を仕上げたことを思い出す。


もし手遅れじゃないなら、恵理香を救いたい。
ワンチャン、普通の大学メンとのBBQかもしれない。


とにかく日曜に挑むことに決めた。

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