幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係〜番外編.モデルのお仕事と翔
モデルのお仕事と翔
学校。朝のホームルーム前。
「恋、聞いてよ。昨日原くんと山科くんから、黒沢さんとの仲を取り持ってくれって同時に連絡が来たの。どうすれば良いと思う?」
恋の着席ざま、スマホを持った理央が口を開いた。
「同時に?」
「そう。もう嫌んなっちゃう。2人とも黒沢さんが西木くんと復縁した事を知ってて、超萎えてる。あの地味めイケメン2人、かわいそうだよ。」
理央ははあぁ、と珍しく盛大にため息を付いた。
誰とでも喋る友達の多い理央は、同級生にトラブルがあるとよく巻き込まれる。
やれ仲直りだ、やれ失恋だ、と理央にはそのたびにお誘いが多いのだ。
「おはよう、新田さん」
「おはよう。駒井、どうかした?」
たまたま恋の所にやって来た美風と宗介が、訝しげに理央を見る。
美風は今日は、前髪を上げていて、その姿を見に今日も廊下には親衛隊が屯していた。
「あ、樋山くん、宗介」
「黒沢香凛。後世恐るべきたらしだよ。人の心を弄んでる。絶対性格良くないよ。」
「ああ、黒沢」
「黒沢は西木と付き合ってたって聞いたけど」
美風が言うと、理央は忌々しげに首を振った。
「樋山くん、情報が古い。黒沢さんは今原で山科で西木なんだよ。四つ巴なんだよ。」
それから言った。
「恋も上野くんと樋山くんと律ちゃんといつも取り合いだけど、どちらかといえば困ってて受け身っぽく見えるよね。黒沢さんにはそれがないんだ。黒沢さんは自分から突っ込んでいって絶対攻めてるよ。ああ酷い。酷いなあ。」
「中にはそんな奴も居るだろうね」
美風が考え顔で言った。
「僕は新田さん一途だけど。我儘で自意識が強いタイプって、恋愛するとどんな感じなんだろうね」
「くだらない。黒沢はいつも男で遊んで。恋愛以外に他の事考えてないやつ嫌い。頭からっぽなんだから。」
「これはこれは……誰の話か当ててみせようかしら?」
後ろから声がして振り返ると、新聞部の伊鞠と桂香が、メモ帳を片手に立っていた。
恋と目が合うと、桂香はメガネをくい、と上にあげた。
「先輩。先輩達も聞いてくださいよ。酷いですよね。黒沢香凛。」
理央が泣きつくと伊鞠は恬淡と笑った。
「黒白王子の三角関係以外報道はしないけど、そういう脇役達の情報も入って来るのよね、私達。黒沢香凛さん、プレイガール、もちろん知ってるわ。」
「僕達より黒沢の方がゴシップ多くて記事にしやすいはずですよ。そうしたら?」
宗介が言った。
「無駄無駄。私たち黒白王子専門だから。いくらゴシップまみれでも黒沢さんの記事は書かないわよ。」
「……女子向け」
「畜生。僕が黒王子だって親が聞いたら爆笑するぞ。嫌だ嫌だ。黒沢の記事でも書いて大人しくしててくれれば良いのに。」
「僕だって。僕の家は、親達2人僕が白王子として商品化されてる事を訴えようか迷ってる所。そうなったら、加納先輩も石巻先輩も、お金取られますからね。」
「あら……それは困るわ。あ、そうそうでも今日はね、私達、用事があって来たの。新田さんに関する事のアラートに来たのよ。」
「恋に関する事?」
宗介が聞き返すと、伊鞠はメモ帳を開いた。
「今日は姫が、新田さんがモデルを務める雑誌『coco.』の発売日……という事で特別に取材に来たのよ。」
理央が思い出したという顔をし、こっちを向いた美風と宗介に、恋は困り笑いをした。