隠しても無駄ですよ、先輩。〜芋女を演じる私と、全部お見通しな後輩〜
「み、やむら……」
「深月、あんたメガネっ…!!」
あ……、、
メガネ、かけないまま近づいちゃった……。
私が必死に隠してきた、演じるためのメガネが…。
「ふふ。ほら、やっぱり俺の知ってる一條先輩じゃないですか」
違うって意地でも否定したいのに、メガネがない以上、どんな言い訳をしたって彼の視界からは逃れられない。
「けがはないですか?痛むところとか」
「ないわよ、そんなの」
なんて、可愛げのない返事なんだろうと自分でも思う。
助けてくれたんだから、お礼の一つでもしたらいいのに。
喉まで出かかってるのに、それが詰まってなかなか出てこないんだ…。
「一絛さんって、実はめっちゃ可愛いですよね」
この気まずい沈黙を破ったのは宮村。
そしてしれっと頭のおかしいことを言ってる。
あぁ、どうしよう。
伝えなきゃいけないことよりも、先に出ちゃう。
「……い」
「え?」
「宮村なんて、大っ嫌い!!!」
子供みたいな感情任せのセリフを言って、保健室を飛び出すことしかできなかった。
【宮村なんて、大嫌い】


