甘い初恋を、もう一度。
side 綾人

「…一生俺に話しかけるな」

違う、俺はこんなこと言いたいんじゃない。

「…え…」

「…うぜぇんだよ」

本当は思ってもいないことが口から出てしまう。

ショックを受けたような表情をしている華恋に、俺の足は構わずズンズン進む。

『好きな人は、いますけど…』

華恋のあの言葉を思い出して、「ちっ」と舌打ちをする。

華恋は、俺のことを覚えてないのか…?



『華恋!将来は、俺と結婚しような!』

『うんっ』



あの時、本当に俺は本気で言っていた。

本当に、一瞬だけの仲だったけど…。

俺は、あの日からずっと華恋のことしか頭の中で埋め尽くされていた。

逆に言うと、華恋を忘れた日なんてないかもしれない。

あの時は、本当に必死で…思わず触れるだけのキスをしてしまったけど…。

華恋は、俺のことなんてどうってことないだろうな。

…そんなことを考える自分に、苛立った。

「あーやーとくーん♪」

教室に着くと、いつも通り女子たちが寄ってきた。

「…んだよ」

「えええ?そんな態度しなくても…。」

「…うっせーな」

俺は女が嫌いだ。

でも、華恋だけなら…。

最後に、告白すれば良かったと後悔した。



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