甘い初恋を、もう一度。
*   *   *  

わたしは気づいたら走っていた。

「綾人さん!待ってください!」

「っ、華恋?どうした?」

驚いている綾人さん。

わたし、こんなに必死になったこと、一度もないや。

「空き教室に、一緒にいけますか?」

「あ、ああ…」 

わたしは綾人さんを空き教室に連れて行く。

ーガチャッ

空き教室を開けて、一息おく。

「わたし、ちゃんと気づきました。綾人さんが、綾くんだったんですね」

綾人さんの目がどんどん見開かれていく。

「気づいたのか…?」

これでもかっと言うほど嬉しそうに言う綾人さんに、笑みを浮かべる。

「はい!」

「わたし、ずっと綾くんのことが好きだったんですよ?」と綾人さんに対してそう言ったら。

わたしは気づいたら綾人さんに抱きしめられていた。

え?え…っ?

なんで…綾人さんの胸の中にいるの…?

「えと…綾人さん?どうかしましたか?」

抱きしめるなんて珍しいな…なにかあったのかな??

「俺も…ずっと好きだった」

「ふふふっ。わたしの方がずっとずっと、ずうっと大好きでしたよ?」と、にこっと笑う。




< 69 / 101 >

この作品をシェア

pagetop