甘い初恋を、もう一度。
「あの、ありがとう」

「……。」

「でも、わたし、あなたのことよく知らなくて…」

「…」

「だから、ごめんなさい。
わたしのことを好きになってくれて、ありがとう」

終始ずっと無言だった彼に、無理やり笑みを浮かべる。

なぜか苦しそうな彼は、悲しみを纏(まと)っていた。

「そっ、か…。」

「…うん、ごめんね」

「華恋!」

え?

大好きな人の声が聞こえた。

「え、あの…綾人さん?」  
 
「…っ、こいつは誰だ?」

ごくっと息を呑んで、そう言う綾人さん。

「えと…中野くん、だよ!」

「え…俺のこと覚えてたの…?」

「うんもちろん!」

「人の名前を覚えるのは結構得意なんだよ!」と、にこっと微笑む。

「っ、華恋、行こう」

「あっ、はい!中野くん、またね!」

わたしは中野くんに手を振って、その場を後にした。
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