ホテルの怖い話短編集
明らかに別人の髪の毛にとまどうが、言葉には出さない。
飯島さんが誰か……恐らく女性を連れ込んでいるという事実はなんだか少しショックだったけれど、別に犯罪を犯しているわけじゃないし。
そう考え直して黙々と部屋の掃除を終えた。
「結構しんどいですね。スイートルームの清掃」
掃除道具と共に部屋を出て手の甲で汗を拭う。
しかし田辺さんは答えずに客用エレベーターへと近づいて行った。
「田辺さん、なにしてるんですか?」
「このエレベーターはスイートルーム専用のエレベーターなのよ。スイートルームに宿泊した人だけが使うもの」
「へぇ! そうだったんですね」
通りで他の階とは違う場所にあると思っていた。
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