ホテルの怖い話短編集
千歳は食が細くなっていたけれど、それでも楽しそうにずっと笑顔だった。
「楓、私ちょっと電気屋さんに寄ってくるね。楓は待ってて」
「え、うん、わかった」
頷き、千歳が大型家電量販店に入って行く後姿を見送ると、私はスマホを取り出した。
千歳が言っていた通り、私は友達が多い。
千歳が一人田舎へ帰ったところで、対して影響はなかった。
大学時代の仲間と繋がっているグル-プメッセージを開くとさっそく打ち込み始めた。
《楓:みんな聞いて! 今千歳と旅行中なんだけど、あの子会社やめて田舎に帰るんだって!》
私の書き込みにはすぐにひとつふたつと反応がついていく。
< 85 / 92 >

この作品をシェア

pagetop