通りすがりの俺様
「考えてみれば、矢端さん、ミステリアスなわけじゃなかったのよねと思ってたのよ。

 毎度印象が違う不思議な人だと思ってたんだけど。
 二人いたんだから、当たり前じゃない。

 これは恋じゃなかったのかなとか思ってたんだけど。

 いまどき、携帯の番号を教えないなんて、ミステリアスだわっ」

 そ、そうかな……?

「自分が携帯の番号を知らないって知られたくなくて、人に教えたくなかったっていうのもあったんだけど。

 みんな、家の番号しか知らないのね。
 よかったっ」

 よくわからないけど。
 佐保子の興味が水内さんに行く前に、秀さんに戻ってくれてよかった、と思っていた。

 この勢いで、押せ押せで来られた怖い。

「ちなみに、050ってとこもミステリアスだと思ってたのよっ。
 詐欺師っぽいじゃない」

「いや、偏見だよ……」
と今、矢端に自分が言われたことを思わず言ってしまう。

 今にも騙されそうな感じだったからだ。
< 140 / 307 >

この作品をシェア

pagetop