通りすがりの俺様



 一鷹が帰ったあと、いずるが家のトイレに行くと、トイレットペーパーがなかった。

 さては兄っ、補充しなかったなっと思いながら、棚から袋ごとトイレットペーパーを下ろそうとする。

 誰だ、こんな高い位置に棚作ったの。

 私の身長で届かないとか、巨人が住んでいたのか、この家は。

 ふと、一鷹がこの家にいて、
「しょうがないな、貸してみろ」
とひょいと取ってくれるところを想像してしまった。

 うっかり手が滑り、すでに口が開いていたトイレットペーパーの袋から、一個丸ごと飛んでいく。

 トイレにどぼんと落ちてしまった。

「何故ーっ!?」

「うるさいぞ、いずるっ!」
 遠くから兄が叫ぶ声が響いた。

 

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