通りすがりの俺様
「職場の休み時間は一鷹で」
これは選挙活動なのだろうか。
一鷹は隙あらば、名前を連呼してくる。
急にそんな……
呼べるわけない。
また社内を回っているとき、廊下で矢端と出会った。
「困り顔だね。
またなにかあった?」
「……水内さんが一鷹と呼べとしつこ――」
「平和そうだね。
なにもないのなら、別にいいよ」
と素敵な笑顔で被せるように言っていなくなってしまった。
相変わらずですね。
最後まで聞いてください……、と思いながら、矢端を見送る。