通りすがりの俺様



 雨戸が直ったころ、兄がやってきた。

「おっ、どうした。
 何処か出かけるのか?」
と戸締りをしようとしていたいずるに訊いてくる。

 矢端が説明してくれた。

 一番、説明が丁寧そうだったからちょうどよかった、といずるは思う。

「――それで、雨戸は直したんですけど。
 ここは物騒なんで、うちか水内の家に泊まってもらおうかと」

「すまんな。
 それは助かるが……」
と言いかけ、兄はハッとした。

「待て。
 全員いなくなったら、俺がこの家にひとりきりになるじゃないかっ」

 物騒だっ、と騒ぎ出す。

 ……いや、自分の家に帰って、おにいちゃん。



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