通りすがりの俺様
誰も彼もが怪しいです
「今日は私がおごります。
みなさんに雨戸直してもらうだなんて、まるでお姫様のような扱いをしてもらい……」
いずるはイタリアンの店で感謝の言葉を述べていたが、兄が、
「いや、お姫様は雨戸直してもらわないだろ」
と横から言ってくる。
おにいちゃん、ちょっと黙って……。
「もう~、おにいちゃんは昔から、私のやることにいちいちケチをつけてくるんですよ。
この間も、私の雑な掃除にケチをつけてきて……」
雑な掃除なら、つけられるのでは、という顔を一鷹たちはしていた。
ここには私の味方はいないようだ……、といずるは思う。
「でもまあ、いずるが雑は同意ですね」
とまず一鷹が裏切った。
「この間、『私のスーパーバスケットを知りませんか?』ってメッセージが入ってきたから。
そんなすごいバスケットは知らないと思ったんですけど。
よく聞いたら、俺が買ってやったいずるを守るためのスーパーのカゴのことだったんですよ」
「待て。
お前の話もよくわからない」
と兄が一鷹の言葉を止めた。
「何故、いずるがスーパーのカゴで守られる?
「いずるが何者かに狙われたら、カゴで殺ろうかと思って」
「……どうやって」
という兄の言葉を聞きながら、
水内さんの話がわからないのは私だけではなかったようだ、といずるはちょっと安心した。
だが、次に矢端が裏切る。