通りすがりの俺様
秀が焼いてくれた肉と矢端が買ってきてくれたサラダで晩ごはんにした。
「お兄さんは?」
と矢端が訊いてくれたが、
「なんか今日はこっち帰らないみたいなんですよ」
といずるは言う。
「お兄さんって、彼女いるの?」
と秀が訊いてきた。
「わからないですけど。
彼女ができて、その彼女が金が欲しいと言ったときのために、私のもらった土地が売れたときのお金欲しい、みたいな感じなんですけど、今」
「なにその、どれも仮定、すべてが妄想みたいなの」
と秀に言われてしまう。
兄が寂しい人みたいになってしまった。
ちなみに、秀が矢端の鉄道模型を狙っている件は解決した。
二人が同じ家に住んでいて。
模型は廊下の壁のニッチに展示してあるからだ。
「そういえば、秀さんの050の番号、佐保子が検索かけてみたら、なんとかという怪しい人から電話がかかって、とか。
その番号、どこどこという怪しいリサーチ会社で、とかいっぱい出てきたらしいですよ」
「いや、僕、そんないろんな詐欺やってないから」
と秀が言う。
「単に、次々いろんな怪しい人が使ってるんだと思いますよ」
「僕もその並びっ?」
と秀が言い、
「……怪しい人を呼び寄せるんだね、その番号」
と矢端が言っていた。