通りすがりの俺様



 次の日の昼。

 いずるは佐保子に渡り廊下に呼び出されていた。

 確かにあまり人気はないが、まったく人が通らないわけでもないのに、何故、ここに深刻な感じの呼び出しを?

 ちょっと詰めが甘いな、といずるは思う。

 燦々と日が降り注いでいる窓を背に、佐保子が言った。

「いずる。
 あんたにいいことを教えてあげるわ。

 すべての黒幕は――

 水内さんだったのよっ」

「なんだってっ!?」
と言ったのは、離れた場所で隠れて見ていた一鷹だった。

 ……何故、あなたが言うのですか。

「水内さんはあんたを裏切っているのよっ」

「どうやってっ?」
とついに出てきて一鷹が訊いた。
< 218 / 307 >

この作品をシェア

pagetop