通りすがりの俺様
 


 ちょっと秘書を手伝うはずが……。

 ギリギリになって発注ミスが発覚し、夜遅くまで残業をして。

 当日は受付も手伝い、みんなぼーっとした頭のまま、会議で頼んだのと同じ仕出し弁当を頼んでいたので、それを食べ、異様なハイテンションでお手伝いは終わった。

「大変だったけど、やり遂げたって感じですっ」

 発注ミスした秘書の人にお菓子ももらって、いずるは大満足だった。

「逆に力がみなぎっていますっ」

「いいから、今日はもう寝ろよ」
とリビングで一鷹に言われる。

 今夜のご飯は一鷹が作ったカレーだった。

 いつも行く喫茶店のマスターが缶のカレーにアレンジを加えて出している、と聞いて、それを真似してみたのだそうだ。

 ちなみに、矢端も秀も兄もそれぞれ呑みに行っていていなかった。

「残念ですね。
 美味しかったのに、カレー」
と言いながら、片付けを手伝おうとしたが、やらなくていいと言われる。

「帰って夜食に食うとか言ってたぞ。
 それより顔色悪いから、早く寝ろ。

 寝ないなら、実力行使で寝かせるからな」
と心配してか言ってくる。

「実力行使で……」

 どうやって? といずるが見つめると、一鷹は少し考え、

「腹を……

 殴って倒して?」
と言う。

 ……疲れている人の?
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