通りすがりの俺様



 みんなで朝食を食べながら、七人から話を聞く。

「女性に騙されて、弱みを握られ、こんなことになってしまったんです」

「なんか予想通りすぎて面白くないね」
と秀は言ったが、

「この人なんですけど」
と脅してきたという女性の名刺を見た一鷹は、

「……うちの実家の建築会社のやつだ」
と言う。

「やっぱり、一鷹が悪の黒幕だったか」
と矢端が笑った。

 一鷹は名刺を見ながら真剣に考える。

「もしや、お前に近づくよう、俺も誘導されていたとか……?」

 いや、どうやって?
 あなた、渡り廊下で大あくびしていた私を見て気になったって言ってましたよ。

「……俺は、お前を心底愛するよう、誘導されていたのか」

「心底愛しちゃ、利用できないんじゃない?」
と秀が言う。

「それ、どうやって、誘導する予定なの?」

 そう矢端に問われた一鷹は少し考え、

「……睡眠学習とか?」
と言い出す。

「ああ、やってたね、昔。
 英単語とかでさ」
と秀が笑う。

 英単語と同じか。

「軽いですね、私たちの愛……」
といずるは呟いた。
 



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