通りすがりの俺様



「へえー、イケメン屋敷に侵入者があったの」

 朝、いずるがエレベーターで一緒になった網代木と話していたら、そんな感じの話になった。

「私が行ってあげようか」
と網代木が言い出す。

 また面白がってるだけかな?
といずるは思ったが、小野寺が、

「アリーは空手で全国大会行ってるのよ」
と我が事のように自慢をはじめる。

「へえー、すごいですね」

「ちなみに、私もそこまでじゃないけど、黒帯よ」

「私は合気道やってましたよ」
と晴菜も混ざる。

「僕は柔道。
 全国大会行ったよ。

 ……柔道部が、だけどね」
と矢端が苦笑いする。

「……皆さん、すごいですね。
 誰に襲いかかるつもりなんですか?」

「……俺?」
と一緒に乗っていた七人が怯えたように言い、なにも知らない網代木たちが、

「やだー、なんで、七人くんに」

「幾ら彼女ができたからって、蹴り倒したりしないよー」
と笑って言っている。
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