通りすがりの俺様



「水内さんが黒幕はないない」

 二、三日後、社食で一緒になった七人が言った。

「そういえば、この間さ。
 沙奈が盗聴器仕掛けてたんだけど」

「何処に?」

「お前の鞄に」

 デンジャラスッ!
 同じロッカールームッ。

 っていうか、やっぱり警察に突き出しておけばよかったっ、
と思ういずるの前で、平然と七人が言う。

「一緒に聴いてたらさ」

 ――こいつも一緒に突き出しておけばよかったっ。

「お前が、
『七人のスマホは返したけど、まだ何処かに盗聴器とかあるかもしれませんね~』

 って言ったあと、秀さんにその日美味しかったっていうサラダのレシピ訊いてて、沙奈がそれをメモしてたんだけど」

 ……お役に立てて幸いです(?)

「『まあ、盗聴器仕掛けてても、こんな話しかしてなくてすみませんって感じですよね』
とお前が言った瞬間。

 水内さんがお前の鞄を倒して、転がり出た盗聴器を踏んだらしく、

『あっ、すまん……っ!』
 って言ったところで、途切れたんだよ。

 あの人、すごい天然危険回避能力だよっ!」
と七人が言っていた。
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