あなたは悪魔で運命の人

双子の兄弟

健斗と三枝物産の事件から少しして、もうすぐ会社の終業時刻が近づいたある日。
京子からメッセージが届いた。


『今日の帰りに買い物付き合ってくれない。一杯おごるからどう?』


私はすぐに返事を返した。


『もちろん良いよ。今日は定時で帰れそうだよ。』


京子と私は仕事を終らせて買い物へと向かった。

京子の買い物は悩む時間がいつも長い、途中で退屈になってくるがそこは友人として我慢する。

「ねぇ、…恵美、どっちがいいかな…この色も良いよね?」

化粧品売り場でリップの色に悩んでいる。

「京子は美人だからどっちでも似合うと思うよ。」

「…うーん。」


いくつかの色をお試しさせてもらって京子も納得のリップが見つかったようだ。
少し甘めのピンクだが色が主張しすぎない大人可愛い色が気に入ったらしい。

一通り買い物を済ませると、そろそろお腹が空いて来た私達は、夕食とお酒が楽しめるお店を選んだ。


「恵美、このお店どうかなぁ。お洒落な感じだし中にイケメンが居そうだよね。」

「京子はまた男の話…でも感じの良い店だからここにしよう。」

店内に入ると、木の温盛を感じるようなインテリアでとても落ち着く雰囲気だった。
初めて来たのに懐かしい感じもするようだ。

私達は、カウンター横のテーブル席に案内された。
カウンターには常連さんと思われる男性がお店の人と話をしながらお酒を楽しんでいた。

「恵美、超ラッキーだよ!すごいカッコいいよ!カウンターの人!」

興奮している京子に言われ、振り返るようにその男性を見た。
確かに京子が興奮するの解る。
カッコいいというよりも、美しく綺麗な顔の男性だ。
背も高くどこか洗練された雰囲気がする。

京子が小声で囁いた。

「後で絶対に声かけようね。」

「もぉ、京子は積極的過ぎだよ。」

暫くするとその男性と、待ち合わせをしていたと思われる男性がやって来た。
カウンタ―の男性は入って来た男性に向かい、軽く手を上げた。
京子がその男性を見て突然目を大きくして驚いている。

「め…めぐ…恵美…入って来た男性を見て!!」

京子に促されて私も振り返ると同時に息が詰まるほどの驚きだった。
なんと入って来た男性は龍崎部長ではないか。

龍崎部長はその男性に向かって何か話しながらカウンターに近づき、隣り合うように座った。
周りの女性がざわつき始め、ちらちらと振り返っている。
美形男性二人のオーラはかなり強烈だ。


「京子…まずいよ。帰ろう…見つかりたくないよ!」

「何言っているのよ、こんなにラッキーなことないよ。龍崎部長へ挨拶に行こうよ。」


こういう時の京子の行動力はすごい。
強引に私の手を引っ張り、龍崎部長達へと近づいた。


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