あなたは悪魔で運命の人
仕事が終わり私は龍崎さんの車で帰る途中。
昨日はいろいろな事が起こり、頭が働かなかったがいくつか気になることがあった。
「あの…私の荷物は、どうなるのでしょうか?」
「家に着いたら確認しろ。」
何を言っているのだろう。
私は意味が分からずそれ以上言葉が出なかった。
そして自宅に着いた圭吾は家のドアを開けた。
「…えっ!!」
何かが違う。
昨日までの部屋と様子が違うのだ。
(…何かが違う…どうして…)
部屋の奥に進むと、さらに信じられない事が起こっていた。
なんと私の服や荷物が、綺麗に置いてある。
それは、まるでずっとそこにあったように置かれていた。
私は急に確認したいことを思い出した。
急いで自分のジュエリーボックスを開けてみる。
この中には、健斗から貰った婚約指輪が入っていたはずだ。
ボックスを開けてみると、有ったはずの指輪が無い。
(…やはり箱が無い。健斗の彼女がしていた指輪はやはりこの指輪だ…)
私の様子を見ていた龍崎さんは、そっと後ろから私を抱きしめた。
「…恵美。やはり俺はお前を苦しめてしまったな。」
抱きしめられた腕が微かに震えていた。
私は努めて笑顔をつくって圭吾の方に振り向いた。
「圭吾。私こそあなたを苦しめてしまってごめんなさい。私は後悔もしていません。」
「…恵美。」
「私は圭吾に巡り合えて幸せです。」
振り返った私の額に圭吾は優しく口づけた。
こんなにも温かい。
こんなにも大切にしてくれる。
こんなにも愛してくれる。
「…圭吾。私はこの運命に感謝しています。」
圭吾はまだ悲しい目で私を見つめている。
「圭吾、私は気づいた事が有るの。最初はこの運命を受け入れられなかったし、なんでこんな事になったのだろうと恨んだりもした。でも今は私の中のリリスがあなたを求めているだけじゃないと感じるの。」
「どういうことだ?」
「私は、ルシファーを愛しているのではなく、龍崎圭吾を愛しているの!」
「…恵美。ありがとう。」
「だから、あなたと一緒に居たいの。あなたを、圭吾を愛しているから。」
私は真っすぐ龍崎さんに向き合った。
しっかりと龍崎さんの美しい瞳を見つめる。
「俺は、恵美を高山君から奪った男なのに、許してくれるのか?」
「健斗を愛していたことに嘘はありません。でもあなたは自分を犠牲にしても私を守ってくれた。大きな愛で包んでくれているのが分かるの。」
「…恵美。愛している。」
龍崎さんの腕に引き寄せられる。
少し痛いほど抱きしめられた。
…温かい…
…これからはこの腕の中が安心できる場所…