あなたは悪魔で運命の人
ライバル
翌日になり、今日も圭吾と一緒に出社した。
エレベーターを降りて、軽く手を上げる圭吾の後姿を見送り私は営業部へと向かった。
すると突然、何かに躓いた。
「キャー!!」
私は、ドサッと音を立てて見事に転んでしまった。
突然の出来事に自分に何が起こったのか理解に時間がかかる。
「…痛っ。いったい何が起こったの。」
後ろを振り返ると、見覚えのある綺麗な女性が腕を組んで立っていた。
(…この人たしか秘書課の柳原麗美さん?信じられないけど今わざと足を出していたような?)
「鈴木さん、ごめんなさいね。ヒールがぶつかったみたい。大丈夫かしら?」
「…だ…大丈夫…です。」
するといきなり、鋭い目で私を見ながら口角を上げた。
その表情に背筋がゾクリとするほどだ。
「まったく、龍崎部長も悪趣味ね。とてもどんくさい女が好きみたいね。」
その女性はそう言い残すと、機嫌が悪そうな表情のまま踵を返して立ち去ってしまった。
(…何、あの人。とても信じられない…)
その様子を見ていたのか、京子が駆け寄って来た。
「鈴木さん、大丈夫ですか。」
「西条さん、ありがとうございます。大丈夫です。」
「あの人何なの!わざと鈴木さんに足出してましたよ。確か秘書課の柳原さんです。あの人には気を付けたほうが良いですよ。きっと鈴木さんを良く思っていないのだと思います。」
「…えっ、そうなのですか?」
「うん。確か、龍崎部長に夢中らしくて、鈴木さんが来てからずっと機嫌悪いって噂を聞きました。」
「…そうなんですね。」
「鈴木さん、何かあったら私に言ってね。力になりますよ。私は鈴木さんの味方だからね。」
「…ありがとうございます。西城さん。」
(…京子、ありがとう。やっぱり京子だね…)
今日は営業部で打ち合わせがあり、朝から圭吾がマネージャー達と打ち合わせしてる。
(…圭吾はやっぱり絵になる。)
すると、カツカツというヒールの足音を響かせて、柳原さんが営業部に入って来た。
圭吾に用事があるらしく、近づいていく。
(…やだ、なんか近寄らないで欲しいな…)
何か書類を見せているように見えるが、胸元を大きく開けた服装で胸が今にも見えそうだ。
そして話しながら、ボディータッチ。
腕に胸を押し付けているようにも見える。
(…なんか嫌。でも圭吾は喜んでいるようにも見える。)