私のイケメンヒーローは、どこかおかしい
政略結婚の話がなくなった後も、ルーファンスとリリアの日常は大きく変わらなかった。

ルーファンスは、マ国の第一皇子として日々を過ごしていた。

皇族としての教育を受け、剣術を学び、政治や外交についても学んでいく。

いずれ国を背負う者として、多くのことを身につけなければならなかった。

その傍らには、婚約者となったクラリスがいた。

クラリスは聡明で礼儀正しく、皇子の婚約者として申し分のない令嬢だった。

二人の婚約を周囲が反対する理由は、何一つなかった。

一方、リリアもまた、リュミエラ国の第一皇女として日々を過ごしていた。

皇女として必要な礼儀作法や教養を身につけ、外交や国政についても学んでいた。

婚約者となったエリオットも、そんなリリアを穏やかに支えていた。

彼はリリアに好意を抱いており、いつも彼女を大切にしていた。

けれど、リリアはまだ彼に恋愛感情を抱いてはいなかった。

それでも、エリオットを嫌っているわけではない。

ただ、まだ恋を知らないだけだった。

ルーファンスとリリア。

二人はそれぞれの国で、それぞれの日々を過ごしていた。

この時、二人はまだ互いの存在を知らない。

自分の人生に、もう一人の存在が大きく関わることになるなど――

知る由もなかった。
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