『付き合ってない、たぶん』上
頭の処理が、一瞬だけ追いつかない。

でも、その『通知』の意味を完全に理解した瞬間、俺の胸の中にあった、どろどろとした暗い霧が、

一気に、跡形もなく消え去っていくのが分かった。

浮気なんかじゃなかった。

蓮は、他の女の子に夢中になって俺から離れようとしていたわけじゃなかったんだ。

自分の夢に向かって、一人で必死に戦っていたんだ。

「――っ、え……!? なんだ、そんなことだったのかよ……っ!!」

俺の目から、今度こそぽろぽろと、嬉しさと安堵の涙が溢れ出した。

慌ててユニフォームの袖で目元を拭いながら、俺は満面の、弾けるような笑顔を蓮に向けた。

「お、おめでとう、蓮……!!! すごいじゃん! なんだよもう……! もっと早く言ってくれれば、俺だって全力で応援したのに! ひとりで抱え込まないでよバカ蓮……っ!!」

「春……」

俺の「おめでとう」という心からの祝福の声に、蓮の表情が一瞬だけ、救われたようにふにゃりと崩れた。

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