『付き合ってない、たぶん』上
だけど、それも本当に一瞬のことだった。

蓮の切れ長の瞳が、再び、あの重くて冷たい、悲痛なほどの「覚悟の目」へと戻っていく。

蓮は俺の涙を拭うこともせず、ただ、机の上のスマートフォンのケースの裏側――俺が手で顔を隠してほっぺにちゅーしている、

あのカップルプリを愛おしそうに親指でそっとなぞった。

「……ありがとな、春。お前にそう言ってもらえて、本当に嬉しい」

「うん!」

「でもな……これ、もし夏休みの最終審査が終わったら。……俺、学校を辞めて、上京しなきゃいけないんだ」

「……え?」

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